2016年10月8日土曜日

TeXの小技: ゴシックで本文を書き,太字で強調するために(MacOSX El Capitan + FinkからTeXLive2016へ)

finkのTeXLive2014からTeXLive2016へ移行させようと思って手こずりました。

TeXで文章を書くとき,日本語フォントは明朝体になります。
文書全体をゴシックで書くと,ボールドで強調したいときにも同じゴシックになってしまいます。
(詳しいことはTeXの書籍を。。。)
まず,全体をゴシックにするコマンドは,
\renewcommand{\kanjifamilydefault}{\gtdefault}
見出しのような強調部分を太字ゴシックにするためには,たとえば以下のようにします。
{\gtfamily\bfseries 【研究目的】}
でも,結局これでは太字ゴシックになってくれません。

これを回避するためにはpdfファイルを作る際にotfフォントを埋め込めば大丈夫。
プリアンブルで,
\usepackage[deluxe]{otf}
と指定すれば基本的には大丈夫なはず。
しかし,実はこれだけでは思ったような太字ゴシックになりませんでした。

そこで,ヒラギノを埋めこもうと思い立ちました。
これが再び重いコンダラとなってしまいました。。。

この時点で私の環境は,El CapitanでfinkでインストールされたTeXLive2014でした。
TeXWikiを見てみると,El Capitanではフォントのインストールされた場所の関係でうまくヒラギノが埋め込めない。。。
TeXLive 2015以降で使えるはずのcjk-gs-integrate.plというパールスクリプとが使えないためです。 
なんとか手動でシンボリックリンクを貼ろうと頑張ってみましたが,結果無理でした。
FinkがTeXLive2016を採用するのが早いか,私が自分でコンダラ引くのが早いか。。。

理論的にはfinkのTeXLiveを削除して,MacTeXをインストールすればいいだけなので,思い切ってTeXLive2016をインストールしてみました。
finkのTeX関連PATHが悪さをするだろうことはわかりきっていたのですが。。。

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まず,Ghostscriptのバージョンを確認。
finkもTeXLive2016も9.19なので,いけそうです。
古いtexlive2014を削除します。

$ sudo fink remove -r texlive-base texlive-nox texlive-nox-base texlive-texmf

たぶんこれで大丈夫。
つづいて,MacTeX.pkgをダウンロードしてインストール。
古巣のRIKENからダウンロードしました。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックするだけでとりあえずインストールできたように見えました。
その後,一旦ログアウトし,再度ログイン。
これでPATHが通ります。

MBP15:~ yishii$ echo $PATH
/Users/yishii/Apps/root/bin:/bin:/sw/bin:/sw/sbin:/usr/local/bin:/usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin:/opt/X11/bin:/Library/TeX/texbin

MBP15:~ yishii$ 

/Library/TeX/texbinにパスが通っていれば大丈夫です。

その後,TeX WikiのMacTeXのページの通りに進めるのですが,ヒラギノの埋め込みはうまくいきません。

$ sudo kanji-config-updmap-sys hiragino-elcapitan
hiragino-elcapitan not available, falling back to auto!

と怒られます。
いろいろログを見ていると,kpsewhichがうまく動いていないことが原因らしい。
おそらく,古いkpsewhichが残っているのだろうと思い,調べてみると,

$ which kpsewhich
/sw/bin/kpsewhich

予想通りです。
あせらずさわがず,

$ sudo mv /sw/bin/kpsewhich /sw/bin/kpsewhichold

と逃がして,もう一度確認。

$ which kpsewhich
/Library/TeX/texbin/kpsewhich

成功です。
はじめに戻ってサイト通り設定すると,無事ヒラギノを埋め込むことに成功しました。