2014年2月21日金曜日

「ことばの力学」

先月1/25に代々木であったシンポジウムで,ピッツバーグ大学の白井先生の講演をきくことが出来ました.

http://www.meiseigakuen.ed.jp/album/2014/index.html#symposium

最近,職場で『東大話法』の話題になることが多く,その中で白井先生の「ことばの力学」という本が話題にあがり,個人的に読んでみたいと思っていたところだったので,ナイスタイミングでした.

帰宅し,著者割引で購入させて頂いた「ことばの力学」を拝読しました.
理系の私でも楽しく読める内容だったのですが,特に7章でメディアや政府が発する言葉は批判的な姿勢で受け取る必要がある,という内容のことが書かれてあり,興味深かったです.

最近では堤未果さんもそのような内容の本を出版されていて,原発事故をきっかけにだんだんそういう意識が広まってきたのかなぁ,と感じています.
日本のメディアはどうして体制に不利な内容を発信できないのかなぁ,とオトナ社会の構造に思いをはせてしまいました.
体制に批判的なメディアを好む人々も一定数いると思うのですが...

一方,私が大学教員になりたての頃に読んだ,宇佐美寛先生の著書「大学の授業」のなかでは,『引用なきところ印象はびこる』という言葉が繰り返し出てきます.
印象で判断するな,原典にあたって論理的に示せ,という意味だと思います.
ことばの『メタファー』にダマされないためには,報道内容についても,かならず『一次データ』にあたることが大事なんだろうなぁ,と.
報道されている内容も鵜呑みにせず,なにか判断が必要なときは必ず『一次データ』にあたる.
でも,それってきちんと『一次データ』を理解できる程度に勉強しないといけないので,大変なことだと思います.

『一次データ』にあたろうとする意識をもち,なおかつきちんと勉強しようという意識をもった国民を育てることが,教育者としての私たちのミッションでもあるのかなぁ,と,えらそうなことを考えた金曜日でした.